更年期障害とはどのような病気ですか?
閉経(月経が永久に停止すること)の前後5年ずつ、計10年間を「更年期」と呼びます。この時期は卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら減少します。これに加齢や心理的・社会的な要因が複合的に影響し、ほてり、発汗、動悸、イライラ、不眠など様々な症状が現れます。その中でも、症状が重く日常生活に支障をきたす状態を「更年期障害」といいます。
更年期障害にはどのような薬で治療を行いますか?
主に「ホルモン補充療法(HRT)」「漢方薬」「向精神薬」の3つが中心となります。食事や運動などの生活習慣の改善を試み、それでも改善しない場合はこれらの薬が検討されます。症状や年齢、既往歴などを考慮し、治療法を選択します。
ホルモン補充療法(HRT)について教えてください
減少したエストロゲンを補う治療法で、特にほてり・のぼせ・発汗などの症状に高い効果があります。飲み薬、貼り薬、塗り薬、腟錠などがあり、体質や希望にあわせて医師と相談して選択できます。
漢方薬はどのような時に使われますか?
ホルモン補充療法が使えない方や、ホルモン補充療法で症状が残る方、多様な症状(不定愁訴)がある方に適しています。体質にあわせて右記のような漢方薬がよく用いられます。
| 漢方薬 | 適した体質・症状の目安 |
| 当帰芍薬散 | 体力が弱く、冷え性で貧血傾向、めまいなどがある方 |
| 加味逍遙散 | 体力が弱く、疲れやすく、不安や不眠などの精神症状がある方 |
| 桂枝茯苓丸 | 体力が中程度あり、のぼせや肩こり、下腹部などの痛みなどがある方 |
向精神薬はどのような時に使われますか?
気分の落ち込み・意欲の低下・イライラ・情緒が不安定・不眠などの精神症状が強い場合には、抗うつ薬・抗不安薬・催眠鎮静薬などの向精神薬が用いられる場合があります。また、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は抑うつ症状や不安症状の改善に加え、ほてりや発汗の軽減にも効果があります。
薬以外で症状がやわらぐ方法はありますか?
十分な睡眠、適度な運動、バランスのよい食事などの生活習慣の改善は、更年期症状も軽減に役立つことがあります。腰痛や肩こりがつらいときは、マッサージや鍼灸なども試してみましょう。また、頭痛や気分の落ち込みなど、更年期以外の病気が原因となっている場合もあるため、症状が続く場合は産婦人科だけでなく、頭痛外来や精神科、心療内科などの受診も検討してみましょう。大豆イソフラボンやS-エクオールのサプリメントが症状緩和に役立つことがあります。
更年期は自分を大切にするきっかけの時期です。症状を我慢せずに医療機関へご相談ください。


