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なんがでっきょんな

検査部コラム「アレルゲンコンポーネント検査」


アレルギーの血液検査は、特異的IgE抗体検査と呼ばれる抗原抗体反応を利用した検査が行われています。近年では、検査精度を高めたアレルゲンコンポーネント検査が普及しつつあります。
今回のコラムでは、この検査方法についてもう少しだけ詳しく紹介します。


特異的IgE抗体検査は、原料から抽出したアレルゲンを抗原として使用した抗原抗体反応です。アレルゲンと血中の抗体との反応性を数値で表し、その数値の大きさでアレルギーの可能性を判断しています。しかし、この検査で使用するアレルゲンは抗原性を有するタンパク質を複数有しているため、特異度が低くなるなど検査精度に影響を与えることがあります。

そこで近年では、抗原性を有する個々のタンパク質であるアレルゲンコンポーネントを使用した検査が普及しつつあります。これにより精度の高い診断が可能となりました。特に穀類や豆類、ナッツ類の検査では有用性が高く、小麦(Tria19)やピーナッツ(Arah2)などは日常診療でも実施されてます。

アレルギーの検査は上記の他にも負荷試験や皮膚テストなどの検査もありますが、血液検査は比較的簡便に測定できることから、検査に有用なアレルゲンコンポーネントの開発が進んでいます。現在、通常診療(保険適用)で使用できる検査は10項目程度(表1)です。今後の増加が期待されています。


表紙

なんがでっきょんな

vol.72

最新号

「高松日赤だより なんがでっきょんな」は、患者の皆さんに高松赤十字病院のことを知っていただくために、季刊発行する広報誌です。季節に合わせた特集や役立つ情報を掲載いたします。冊子版は、高松赤十字病院の本館1階の③番窓口前に設置していますので、ご自由にお持ち帰りください。左記画像をクリックすると、PDFでご覧になることもできます。

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Columnvol.72の表紙のひと

臨床検査技師

今回の表紙は臨床検査技師です。今年1年目と2年目のフレッシュな3人に登場してもらいました。検体検査室での撮影は少し緊張している様子でしたが徐々に慣れてきたようで最後はにっこり笑顔がでていました。普段は患者さんの血液検査や尿検査を担当しており、検査結果を正確かつ迅速に報告できるように日々頑張っていますと話してくれました。