今回は、化学療法治療食をご紹介したいと思います。
近年「がん」という病気に対して様々な薬物療法の選択肢があります。抗がん剤を使った化学療法治療中は、下痢や便秘などの消化器症状や嘔気、食欲低下や倦怠感、口内炎や味覚異常、唾液分泌量の低下、口渇感、免疫低下等の副作用がみられることもあります。当院では、化学療法中の体調に合わせて、なるべく食べやすい物で食事摂取量を維持できるよう様々な治療食や栄養補助食品を準備しています。
その中で化学療法治療食は、肉や魚などを主体とした食品独特の匂いが強い料理を避け、焼きそばやお好み焼き、いなり寿司など味付きの主食に小鉢や飲み物、デザートなどを組み合わせた内容で提供している食事です。特に味覚異常や食欲低下の副作用が出た際にも食べやすい内容になるよう、化学療法中の患者さんの声をもとに考案しました。
また、食欲が落ちた時は、一度にたくさん食べようとせずに、あえて間食の時間を作って、飲み物やデザート、パンや果物などを少しずつ何回かに分けて食べ、食事量を確保するような食べ方もお勧めです。その他、「たくさん食べなければ…」という苦痛を感じる時には、少量で栄養価の高い栄養補助食品を利用して、様々な栄養素を補うことも可能です。化学療法中に食事が思うように摂れない時には、気軽に管理栄養士にご相談ください。
Columnvol.76の表紙のひと
管理栄養士
治療食を手に、今回の表紙撮影に臨んでくれたのは当院の管理栄養士です。最初は耳まで真っ赤にして恥ずかしそうな様子でしたが、次第に緊張もほぐれ、最後は飛び切りの笑顔に。もともとは器械体操に打ち込み、自身の体重管理をきっかけに栄養の大切さを学びました。その経験から「今度は自分が誰かの力になりたい」とこの道を志したそうです。 治療食だからこそ安全で適切な栄養はもちろん、食べる楽しみも守りたい――と話してくれました。



