さぬきの健康と元気をサポートする高松日赤だより

なんがでっきょんな

ガンのこと

2人に1人がかかる がんについて知っておきたいこと ~第8回~「健康食品などの補完代替医療」


「抗がん剤治療は副作用が心配。健康食品なら体に優しいと思う。」「家族や友人が熱心に勧めてくれるから断りにくい。」など、がんに効くという健康食品やサプリメントについて、お話を聞くことがよくあります。

1.実際に多くのがん患者さんが利用したり、興味を持ったりしています。

健康食品やサプリメント、鍼灸、マッサージ・整体など、現代西洋医学とは異なる施術・民間療法などは、「補完代替医療」と言われています。
ある調査によると、がん患者さんのうち45%の方が1種類以上の補完代替療法を利用していました。内容は健康食品・サプリメントが最も多く96%で、平均して月に5万7千円の出費でした。利用を検討したり興味を持っている方を含めると、がん患者さんの8割以上になるとの結果でした。

2.多くの方が利用している健康食品の効果は?

アガリスク、プロポリス、サメ軟骨、フコイダン、ビタミンCなど、多くの健康食品をがん患者さんが利用しています。欧米諸国を中心に臨床研究を行って健康食品の効果を検証する取り組みが始まっていますが、今のところがんの予防や治療、副作用の軽減などに関して、確実に有効性が証明された健康食品はありません。
また、「健康食品は、副作用がなく安全なもの」というイメージがあるかも知れませんが、健康食品による健康障害や他の薬の働きに影響を及ぼすという報告もあり、食品だから全く安全というわけではありません。

    
    
前回もお話しましたが、がんの治療の基本は手術、放射線治療、薬物療法です。これらの治療を受けずに「補完代替医療のみ」を受けることは非常に危険です。補完代替療法を利用する前に、まずは主治医や看護師、薬剤師、栄養士などに相談してみてください。何を目的に利用するのか、利点や欠点など十分に理解し、冷静に判断することが大切です。


表紙

なんがでっきょんな

vol.67

最新号

「高松日赤だより なんがでっきょんな」は、患者の皆さんに高松赤十字病院のことを知っていただくために、季刊発行する広報誌です。季節に合わせた特集や役立つ情報を掲載いたします。冊子版は、高松赤十字病院の本館1階の③番窓口前に設置していますので、ご自由にお持ち帰りください。左記画像をクリックすると、PDFでご覧になることもできます。

Take Free!

Columnvol.67の表紙のひと

当院音楽部

~つづけよう音楽を つながろう音楽で つたえよう音楽に乗せて~        今回の表紙を飾ったのは、当院音楽部の皆さんです。実は当院には職員間のコミュニケーションを図ることを目的に、様々な部活が活動しています。そんな中、脳神経内科 荒木部長が音楽で職種や世代を超えた交流の場を作りたいといった思いから、新たに音楽部を立ち上げました。医師や看護師、事務など50名を超える多職種職員が入部し、先日には第1回演奏会を市内のライブハウスで行いました。ピアノやギター、トロンボーン、サックス…etcと、様々な楽器を持ち寄って好きなジャンルの演奏を楽しみ、大いに盛り上がったそうです。 表紙写真は、その第1回目演奏会に参加した部員の有志に集まってもらい、当院本館北タワー12階の瀬戸内海が見渡せる場所をバックに撮影しました。共通の趣味を通してすっかり仲良くなった部員たち。楽器を手に、リラックスした表情で撮影に臨む姿から言葉じゃなく音楽で絆が強く繋がっていることが伝わってきました。 撮影後、代表の荒木部長はこれからも定期的な演奏会や懇親会を予定しており、いつか来院者に向けて演奏する機会も設けたい、と語ってくれました。今後の音楽部の活動、ぜひ注目してください!