さぬきの健康と元気をサポートする高松日赤だより

なんがでっきょんな

くすりのはてな

不眠症のおくすりについてお話しします ~前編~


不眠症とは、入眠困難(寝つきが悪い)、中途覚醒(眠りが浅く途中で何度も目が覚める)、早朝覚醒(早朝に目が覚めてしまい二度寝ができない)、熟眠障害(寝た気がしない)などの症状が続くことにより、日中の眠気や倦怠感、注意力散漫、疲れや種々の体調不良が起こる状態を言います。
不眠の原因となるものを取り除くことで改善することもありますが、睡眠薬を使用することもあります。睡眠薬には、作用する場所や作用時間によって種類があり、今回はベンゾジアゼピン受容体作動薬についてお話します。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬

ベンゾジアゼピン受容体に働き、脳をリラックスさせるGABAという物質の活動を高めて、脳の活動(興奮)を抑えることで催眠作用を示します。
【商品名 】 ハルシオン®、デパス®、レンドルミン®、サイレース® など
・催眠、抗不安、抗けいれん、筋弛緩作用をもつ
・超短時間作用型から長時間作用型まで剤形が多いのが特徴
・認知機能の低下や耐性(繰り返し使用することで効果が減弱すること)の問題あり


催眠作用に特化し、筋弛緩や抗不安作用を持たない薬剤もあります。
【商品名】 マイスリー®、アモバン®、ルネスタ®
・主に寝つきを良くするのに用いる
・持ち越し効果による日中の眠気や前向性健忘などの副作用を引き起こす可能性あり
・上記薬剤と比較し、依存や耐性が起きにくい


睡眠薬による筋弛緩作用や睡眠薬の持ち越し効果によって転倒リスクは増加します。転倒による骨折などで寝たきりとなり、介護が必要なることもあります。症状や基礎疾患の有無などに応じて、適切な薬剤選択や用量設定が重要です。気になる方は処方医に相談されることをお勧めします。

次号では、ベンゾジアゼピン受容体作動薬とは作用する場所が異なるメラトニン受容体作動薬とオレキシン受容体拮抗薬についてお話しします


表紙

なんがでっきょんな

vol.68

最新号

「高松日赤だより なんがでっきょんな」は、患者の皆さんに高松赤十字病院のことを知っていただくために、季刊発行する広報誌です。季節に合わせた特集や役立つ情報を掲載いたします。冊子版は、高松赤十字病院の本館1階の③番窓口前に設置していますので、ご自由にお持ち帰りください。左記画像をクリックすると、PDFでご覧になることもできます。

Take Free!

Columnvol.68の表紙のひと

診療放射線技師

当院が誇る高精度のPET-CT室にて撮影を行いました。撮影中の雰囲気は非常に良く、仲の良さが素敵な笑顔から伝わってくると思います。若手ながら高度な検査や治療を担当する優秀な5人。真面目で仕事熱心、そして常に知識・技術の向上に励んでいると上司からの評価も非常に高く、お互いに切磋琢磨しながら頑張っている彼らです。