さぬきの健康と元気をサポートする高松日赤だより

なんがでっきょんな

働く人のこと

ナースのトップランナー 専門・認定・特定看護師とつながろう  VOL.14

術中麻酔管理特定看護師 熊谷 謹仁


この度、私は、香川大学医学部附属病院特定行為研修センターでの1年間の教育課程を修了し、術中麻酔管理特定看護師となりました。特定看護師とは、医師しか行えなかった医行為を、手順書の範囲内で実施する事を許された看護師の事です。術中麻酔管理領域においては「呼吸器(気道確保に係るもの)関連」「呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連」「動脈血液ガス分析関連」「栄養及び水分管理に係る薬剤関連」「術後疼痛管理関連」「循環動態に係る薬剤投与関連」の6区分の特定行為を、麻酔科医による管理の下で実施する事が出来ます。

手術中の患者さんは、麻酔により痛みは軽減されていますが、常に様々なストレスにさらされています。また、全身麻酔の場合は自ら苦痛や症状を表現する事も出来ません。そのため、手術室看護師は、患者さんの背景・術式・手術の進行・各種モニターから「声にならないサイン」を汲み取り、患者さんの代弁者となれるよう看護を実施しています。術中麻酔管理特定看護師においては、それらに加え、医学的知識や特定行為を活用し、呼吸・循環・代謝等の管理が最善となるよう麻酔科医師と連携しながら介入していきます。また、手術看護におけるリーダーシップの発揮、他職種間のマネジメント、看護師の知識の底上げ、患者さんの治療理解のサポートも担っており、術中麻酔管理特定看護師に求められる役割は多岐にわたります。

手術は患者さんのライフサイクルにおいて非常に大きなイベントであり、身体面・精神面両方での慎重なフォローが必要です。そのため、今後は特定行為を活用した身体的サポートに加え、患者さんに寄り添う看護の視点での精神的サポートも重視し、患者さんが少しでも良い状態で、希望する生活に戻れるよう援助していきたいと考えています。よろしくお願い致します。


表紙

なんがでっきょんな

vol.74

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「高松日赤だより なんがでっきょんな」は、患者の皆さんに高松赤十字病院のことを知っていただくために、季刊発行する広報誌です。季節に合わせた特集や役立つ情報を掲載いたします。冊子版は、高松赤十字病院の本館1階の③番窓口前に設置していますので、ご自由にお持ち帰りください。左記画像をクリックすると、PDFでご覧になることもできます。

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Columnvol.74の表紙のひと

一年目初期研修医