さぬきの健康と元気をサポートする高松日赤だより

なんがでっきょんな

当院の感染症対策


風しん・麻しんのような既に知られた感染症から新型コロナのような新たな脅威まで、さまざまな感染リスクから病院機能を守り安全な治療を提供し続けるために当院が取り組んでいることをご紹介します。

「感染対策室」って?

安全な病院機能を守るため、法律に基づいてさまざまな感染症に対応する核として医療機関に設置されている部門です。名称は医療機関によっていろいろですが、当院では院長直属の「感染対策室」としています。

外来や病棟だけでなく、設備やゴミ・水回りの管理など病院の運営にかかわるあらゆる部門を対象に、日頃の感染予防やいざという時の感染拡大を防ぐための環境を整えるのが感染対策室の役割。対策室が整えた方針のもと、医師・看護師・薬剤師・作業療法士ら多職種からなる「院内感染対策チーム」が現場で実働に当たります。

赤十字の使命の一つ

赤十字病院は「感染対策」「災害救助」に努めるよう法律で定められています。その一員である当院も感染対策の歴史は古く、昭和初期には現在の香川県警本部あたりに「伝染病病棟」があったという記録も。災害拠点病院としての機能と同じように、パンデミックにも対応できるよう、年4回の地域の医療施設との合同カンファレンスを実施しています。

高度な医療を地域に提供

新型コロナのように個々の病院では対応しきれないパンデミック時は、地域内の医療機関の協力体制が欠かせません。コロナ禍では県内の院内感染対策と地域連携が深まり、当院は総合病院かつBCP(事業継続計画)策定病院として、集中治療や透析など、総合的な治療体制が求められる患者さんを対象とする高度なコロナ対応を担いました。

日頃の取り組み

院内スタッフの意識を高める/感染症患者さんとそれ以外の患者さんの動線を分けて感染拡大を防ぐ。有事にもうろたえることなく対応するためには、日頃の感染対策を習慣づけておくことが大事。院内感染対策チームのメンバーが毎週病棟内を回って指導に当たっています。

  • 有事に備えるマニュアル…コロナ禍の教訓を今後に生かすため既存のマニュアルを改訂
  • 感染対策室からの情報発信…院内会報を通じた啓発と知識の共有
  • 新人研修…新しく入ったスタッフに当院の体制や感染症に関する知識を教育
  • 外部講座…依頼に基づいて看護師らが感染症に関する出前講座を実施
  • 感染症内科…感染症に専門的に対応する科を設けて医師を確保
  • 発熱外来…感染症の可能性がある発熱患者さんが最初に受診する窓口。感染症かどうかを検査してから各受診科をご案内
  • 職員の健康管理…職員から患者さんに感染が広がることがないよう、自己管理の徹底を指導

院内会報を通じた啓発と知識の共有

新しく入ったスタッフに当院の体制や感染症に関する知識を教育

依頼に基づいて看護師らが感染症に関する出前講座を実施


パンデミックが起きたら…


赤十字病院の使命として多くの感染症患者さんに適切な医療を提供する/高度な医療を必要とする患者さんに対応する。多数の感染症患者さんが発生する状況を想定し、設備を整えています。

  • 陰圧室

空気感染力のある菌が外部に流出しないよう、気圧を外より低くした病室で感染症患者さんに対応できる部屋を北タワーと救急部門に設置。

  • 簡易陰圧室

本館7階には陰圧装置がつけられる仕様で、パンデミック時に北タワー・救急部門に近い環境を作れるようになっている部屋がある。



  • プレハブ

平面駐車場の下に電気や排水の配管を通し、パンデミック発生時はプレハブを設置して患者さんの増加に対応。

  • ゾーニング

一部の病棟では廊下の3カ所を扉で遮断できるようになっていて、パンデミック時は同フロアの簡易陰圧装置と併用することで、遮断したエリアに隔離する仕組み。感染拡大の防止に努めることができる。



副院長・第一血液内科部長・感染対策室 室長 大西 宏明
感染管理認定看護師 田中 香里
新型コロナウイルス感染症では、全体の患者数は減少していますが、入院する患者さんの数や医療・老健施設でのクラスター数は横ばいです。重症化リスクのある人を守るために、元気な人であっても日頃のマスク・手洗いや積極的な予防接種で、「かからない・うつさない」を徹底しましょう!


表紙

なんがでっきょんな

vol.73

最新号

「高松日赤だより なんがでっきょんな」は、患者の皆さんに高松赤十字病院のことを知っていただくために、季刊発行する広報誌です。季節に合わせた特集や役立つ情報を掲載いたします。冊子版は、高松赤十字病院の本館1階の③番窓口前に設置していますので、ご自由にお持ち帰りください。左記画像をクリックすると、PDFでご覧になることもできます。

Take Free!

Columnvol.73の表紙のひと

専門・認定・特定看護師

今回の表紙は高松赤十字病院の専門・認定・特定看護師です。それぞれ資格を取得し、特定の専門分野においてより高い水準の知識及び技術を備えた看護のスペシャリストです。この春から新しくユニフォームを作成しました。パープルにワインレッドのポイントがかっこ良いデザインで、背中にCNS(専門看護師)・CN(認定看護師)・特定看護師の文字が輝いています。装いも新たに、これからも安全で質の高い看護を続けていきます!