がんの痛みの原因は様々です。がん患者さんの痛みの約70%は、がん自体が原因で起こります。残りの約30%は手術や抗がん剤治療など治療に伴う痛みや、関節痛や腰痛などの持病に伴う慢性的な痛みです。がん自体が原因で生じる痛みのことを「がん疼痛」といいます。
痛みによる辛さは、患者さん本人にしかわかりません。痛みを我慢することにより、食欲の低下や不眠などに繋がり、日常生活の支障となることもあります。また不安などにより痛みを強く感じることもありますが、適切な治療を行うことで痛みを緩和することができます。まずは、痛みによる辛さを自分の言葉で伝えることが重要です。
がんの痛みの緩和に対し医療用麻薬を使用することも多いですが、主治医の指示通りに内服して頂く限り、中毒になったり命を縮めるといったことはありません。吐き気、便秘、眠気などの副作用はありますが、副作用対策を行い継続して内服できるように調整します。ただ、医療用麻薬を使用している間は「常に眠い」という状況となることもあるので、車等の運転や危険な作業は止めて頂く必要があります。
では、痛みを医療者にどのように伝えたらよいのでしょうか?
●痛みの場所:どこが痛いか
●痛みの程度:自分がイメージできる最も強い痛みを「10」、全く痛みが無い状態を「0」とすると、今の痛みは0~10の数字で表すとどれくらいか
●痛みの性状(どのように痛いか):鈍い痛み、ビリビリする、ズキズキする、ジンジンする、締め付けられるような感じなど
●どんな時に痛いか:動くと痛い、夜になると痛みが増し眠れないなど、痛みがあることで苦痛に感じていることなど
●鎮痛剤の効果:どの程度痛みが和らいだか、あまり効果はなかった、途中で効果が切れるなど
●その他:痛みがあることでの支障になっていることや気がかり、痛み以外の苦痛な症状など
上記を伝えて頂くことにより、私たち医療者も患者さんの感じている辛さを理解し、苦痛を緩和する方法を一緒に考えていくことができます。そして、患者さんらしく生活できるように、お手伝いさせて頂きます。
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