がん診療が進歩し、普通に生活しながら治療を受ける患者さんも多くなったことで、患者さんが「仕事は続けられるのか」「外見の変化が気になる」「体力が落ちるのは嫌だ」といった日常生活における悩みを抱えることも増えています。がん総合診療センターでは、さらに深まった各部門の連携を活かして、患者さんの意向に沿った選択を専門的見地からサポートします。
がん相談支援センター~院内外問わず、がんに関する相談に予約不要・無料で対応~
当院を含む「地域がん診療連携拠点病院」に、必ず設置されている窓口です。がんに関する悩みはさまざまで、一人で抱え込んでしまいがち。「主治医には言いづらい」「誰かにちょっと話を聞いてほしい」「今の不安をどこに相談していいかわからない」、そんな時はまずここを訪ねてみてください。窓口では、相談者のプライバシーや意向を尊重しつつ、がんに関連する不安や悩みに総合的に対応します。当院の患者さん・ご家族はもちろん、医療従事者を含む地域のどなたでも広く利用いただけます。
相談員は医療者と患者さんを中立的に支え、必要な支援につなぐ橋渡し役です。当院では国立がん研究センターのがん相談員基礎研修を修了した看護師2名とソーシャルワーカーを中心に、相談内容に応じて院内の各部門と連携し、患者さんが安心して治療や療養ができるよう支援しています。
がん患者さん同士のグループ交流「日赤りぼんサロン」を継続しつつ、今後は一定の研修を受けたがん患者さんやご家族が「ピアサポーター」として個別相談に当たる体制も整えていく予定です。
初めてがんに向き合う患者さんは、わからないことがたくさんあって当たり前。がんが「長く付き合う病気」になりつつあり、困りごとも多様化している中で、安心して治療を続けるために、相談窓口をご活用ください。
どこに聞けばいいかわからない時は「がん相談支援センター」へ!
月~金曜 8:40~17:10(受付は16:30まで)
TEL:087-831-7101(代)
087-831-7109(直通)
受付 本館6階:がん総合診療センター受付(61番窓口)
本館1階:⑨番窓口、総合案内、患者図書室
緩和ケア~患者さんの思いを汲み「苦痛をやわらげる」プロフェッショナル~
緩和ケアという言葉は、治療ができないほど症状が進んだ患者さんに対する「ターミナルケア」のイメージが先行しがちですが、実際は患者さんとご家族が自分らしく暮らせるよう、苦痛をやわらげるためのものです。診断当初から終末期まで継続的にかかわり、患者さんの心身の苦痛をできるかぎり取り除いて治療を続けられるよう医学的・専門的に支援しています。
当院のがん診療には多職種が集まる「緩和ケアチーム」があり、がん総合診療センターではチーム専従の緩和ケア認定看護師が相談対応に当たっています。
病気のせいで今までできていたことができなくなるのは、患者さんにとってつらいもの。治療期の患者さんには、自分らしさを失わずに治療を継続できるサポートを。終末期の患者さんには、緩和ケアの本領である苦痛をやわらげるサポートを。一人一人とじっくりかかわりながら、患者さんの思いを傾聴して必要な支援につなげます。「つらい」症状や気持ちを我慢せず、一緒に緩和や解消を目指していきましょう。
緩和ケア相談 月~金曜 午前中
薬剤部~薬のプロの網羅的な見地で安心・安全な治療を支援~
がん以外の持病の薬を使いながら抗がん剤治療を受ける患者さんも多く、また今後はゲノム医療などが進み、薬の使い方そのものが変わっていく可能性もあります。そんな中で重要なのが「薬のプロ」である薬剤師の知見。薬を軸として各診療科を横断的・網羅的に見る立場から、さまざまなリスクを踏まえた適切な治療をサポートできます。センターでは、がん薬物療法認定薬剤師を中心に、入院・外来で長く治療を続ける患者さんの生活に深くかかわる支援を目指します。
薬剤調製室と化学療法室が同じフロアに隣接したことで、化学療法を受ける患者さんをお待たせすることなくスピーディーかつ安全に薬をお届けできるようになったのは、センター化による大きなメリット。薬剤師も点滴を受ける患者さんのベッドサイドでコミュニケーションがとりやすくなり、がん治療の専門家である腫瘍内科の医師や各部門との情報共有も、対面でより迅速にできるようになりました。こうした体制の強化によって、薬剤師がより深く治療に貢献できる環境が整いつつあります。
事務部門~各部門の連携を支える縁の下の力持ち~
他の部門と違って患者さんと直接接することは少ないものの、がんに関する相談、治療、最新医療に伴うさまざまな手続き・調整を総合的に行っているのが事務部門。センターに事務機能を設置したことで、センター内の困りごとにいちはやく対応しやすくなりました。今後もスムーズな院内連携にはなくてはならない存在です。
センターのどこで・誰に相談しても、必ず適切な支援につなげるための院内連携が整っています。
「こんなことを聞いていいのかな…」と迷わず、気軽にスタッフに声を掛けてください。一緒に解決していきましょう!