進行がんや、内科的治療が難しい場合は、外科手術の対象となります。腫瘍が粘膜下層より下まで広がっている場合は転移のリスクがありますが、切除可能と判断されれば手術で根治が期待できます。他の臓器に遠隔転移があっても、化学療法や放射線治療を組み合わせた「集学的治療」で高い効果が出て、外科手術ができるようになるケースもあります。
胃がんの手術
近年は低侵襲な腹腔鏡手術が主流で、開腹手術をするのは「緊急時」や「過去に手術歴があって体内に癒着が見られる」などの場合に限られます。
当院では、最新鋭のダヴィンチを駆使したロボット手術が9割を占めます。ロボット手術は合併症が少なく、人間の手では不可能な精密な動きができるのが強み。2台体制で運用しており、患者さんの手術待ち時間の短縮にもつながっています。
主な術式
がんのある部分を含めた胃の一部あるいは全部を切除します。胃全体の2分の1~3分の1、食道とつながる部分が温存できる場合は5分の1でも残すことができれば、ある程度の消化機能が守られ、全摘術を選択することは少なくなっています。
腫瘍ができた場所によって術式が異なりますが、いずれも腫瘍と周辺のリンパ節を「適切な範囲でとる」ことで根治を目指します。
- 全摘術
十二指腸の端を閉鎖し食道と空腸をつなぐルーワイ法で行います。
- 幽門側切除術
残胃と十二指腸をつなぐルーワイ法か残胃と十二指腸をつなぐビルロートⅠ法を行います。
- 噴門側切除術
残胃と食道をつなぐ食道残胃吻合法を行います。
第二消化器外科 部長 藤原理朗(ふじわら まさお)
食事量やペースは落ちるが消化機能は守れる
手術の際は、胃を切除した後も消化液が適切に食べ物を消化できるルートを整える「再建術」も行います。手術後は胃の容積が物理的に小さくなって消化力が落ちるため、食事量や食事ペースのコントロールは必要ですが、食事内容の制限は原則ありません。殺菌力のある胃酸をつくる機能が低下する術後1カ月程度は、念のため生ものを控えましょう。 「手術前に心残りがないように」と食べたいものを無制限に食べてしまい、術前に体重が増えてしまう患者さんがいますが、内臓脂肪が多くなると手術の精度にも影響し、合併症のリスクも高まります。食事制限の有無は医師に確認し、適切な体脂肪率を守りましょう。
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