進行がんや、内科的治療が難しい場合は、外科手術の対象となります。腫瘍が粘膜下層より下まで広がっている場合は転移のリスクがありますが、切除可能と判断されれば手術で根治が期待できます。他の臓器に遠隔転移があっても、化学療法や放射線治療を組み合わせた「集学的治療」で高い効果が出て、外科手術ができるようになるケースもあります。
大腸がんの手術
一般的に、大腸がんは肛門に近いところ(S状結腸~直腸)に多く発生しますが、高齢者の場合は、盲腸~横行結腸でのがん発生率が高い傾向も。盲腸〜横行結腸は便の通過障害や出血などの症状が現れにくいこともあって、より進行した状態で見つかることが多く、注意が必要です。
手術で腫瘍をきれいに取り除くことができれば、ステージ4でも5年生存率は3~4割と高い治療効果が期待できます。
当院では、患者さんの負担が少ない腹腔鏡手術やロボット手術を積極的に採用しています。特に狭い骨盤内で行われる大腸がんの手術は、繊細で精密な操作ができるロボットのメリットを大きく生かせる分野です。骨盤の奥の方(肛門に近い部分)の直腸がんや、結腸がんの切除後にお腹の中で腸管をつなぎ合わせる時などに、ロボット手術が強みを発揮しています。
主な術式
大腸がんは、発生した部位に応じて切除する範囲が決まります。手術が必要な大腸がんはリンパ節に転移している可能性もあるため、リスクの高いリンパ節や周辺臓器も同時に切除します。
腫瘍から一定の距離をとって腸管を切り離し、血管や血管に沿って走るリンパ節などと一緒に腫瘍を切除します。その後、腸管の切り口を再びつなぎ合わせて一本の管に戻し、つなぎ合わせる場所が肛門に近い場合、一時的な人工肛門を作ることがあります。元通り肛門から便を排泄できるようにするのが一般的な流れです。
肛門に近いがんや、腸管を繋ぎ直すことができないケースなど、患者さんの状態によっては永久的な人工肛門となる場合もあります。医師の経験と患者さん本人の意向・年齢・既往歴などを考慮して、最終的に決定します。
第二消化器外科 副部長 浅野栄介(あさの えいすけ)
術後は一時的に排尿・排便障害が起きることも
直腸がんの手術では、骨盤内を走る排尿に関係する神経が傷ついて、手術後に尿が出にくくなるなどの排尿障害が伴うことがあります。また手術で直腸(便を溜めておく部分)がなくなるため、頻便(便の回数が増える)・便失禁(便を我慢できない)といった排便障害が起きることもあります。
排尿・排便障害の多くは時間の経過とともに改善しますが、生活の質に深刻に影響する場合は、医師の指導のもと、生活習慣の改善や薬物治療などでコントロールすることもあります。
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