日本赤十字社 高松赤十字病院

CKD

「慢性腎臓病(CKD)」について

1.慢性腎臓病(CKD:Chronic Kidney Disease)って何?

慢性腎臓病(CKD)とは慢性に経過するすべての腎臓病を指します。
あまり耳にしないかもしれませんが、実は対象患者さんは約2,000万人(成人の約5人に1人)いると考えられ、新たな国民病ともいわれています。

最近の研究では、CKD早期より心不全の原因で ある心臓左室肥大や血管の石灰化が発生進行することが明らかになってきています。また、緊急透析 導入に際し使用される透析カテーテル等による感染 症が致死的となる症例も増加していますので、末期 腎不全に至る前にCKDを早期発見早期治療することの重要性が再認識されています。

2.緊急透析導入“0”をめざして

平成21年にCKD対策委員会を立ち上げ、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、メディカルソーシャルワーカー (MSW)等でチームを形成し、院内CKD対策体制を構築しました。委員会では、腎臓病総合医療センター看護師(腎代替療法専門指導士、腎臓病療養指導士、慢性腎臓病療養指導看護師、CAPD認定指導看護師)を中心に毎月、当院CKD患者数・指導件数・死亡症例調査や透析導入状況を検討しています。

また、平成25年からは、糖尿病専門スタッフも委員に追加し、糖尿病性腎臓病症例の早期発見に努めています。

これらの活動により緊急透析導入例は減少していますが、いまだに20%前後の割合で、緊急透析導入が行われています。心不全、感染症等による透析導入早期死亡例の生命予後改善のために、緊急透析導入患者の減少に向け、 かかりつけ医の先生方々とのさらなる連携を推進していきたいと思います。

CKD対策委員会

【CKD対策委員会】
医師(腎臓専門医2名、糖尿病専門医1名)、検査技師、薬剤師、看護師、作業療法士、管理栄養士、事務

3.腎臓の働きを調べるeGFR検査

CKD対策委員会では、全ての診療科において実施した検査結果(eGFR等)から対象者を抽出し、専門医への紹介・受診、CKD教育の実施につなげています。

CKD院内体制
CKD院内体制

CKD対象者
CKD対象者


腎臓専門医への紹介基準

4.活動実績

  • 透析導入症例数(緊急導入の割合、腹膜透析/血液透析の割合)


透析導入症例数(緊急導入の割合)


透析導入症例数(HD・PDの割合)

  • 指導実績(指導内容、プログラム、人数のグラフ)
    CKD対象者への指導内容は以下のとおりです。
ステージ 3a 3b 4 5
eGFR値 60~45 44~30 29~15 15未満
援助の目的 治療を積極的に受けられるように指導し腎機能がこれ以上悪化しないように援助する 様々な腎不全症状の緩和を行い、移植・透析などの腎代替療法への心構えと準備ができるように援助する
指導形態 個別指導
指導日時 平日の火・水・金曜日 10:00~11:00
平日の火・水・木曜日 13:00~14:00
指導人数 事前予約制 1日1名(火・水曜日のみ2名)
指導内容 腎臓の働き、腎機能・病態、検査データ 腎臓の働き、腎機能・病態、検査データ
生活習慣の見直し、体調管理や自己管理方法
診療の継続方法について
生活習慣の見直し、体調管理や自己管理方法
診療の継続方法について
内服薬(+薬剤師)、食事療法(管理栄養士)
社会保険制度(+MSW)
内服薬(+薬剤師)、食事療法(管理栄養士)
保険説明と準備、社会保険制度(+MSW)
腎代替療法の意思決定支援
計画的透析導入への準備
血液透析準備
バスキュラーアクセスについて
バスキュラーアクセスの準備と管理
腹膜透析準備
テンコフカテーテルについて
腹膜透析の生活と管理(手技指導)
  • CKDステージ別指導人数
    早期からの介入、指導によって腎機能悪化を緩やかにし緊急透析導入率も低下しています。


CKDステージ別指導人数

腎臓病啓発活動

【世界腎臓デーイベント開催】
患者さんやそのご家族、地域の皆様に向けて腎臓病の予防や治療に関する啓発を目的とし、平成26年より毎年3月に開催しています。

<内容>

  • 腎臓専門医による講演
  • 医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士・作業療法士による療養相談
  • 体液量測定や骨密度測定 など
腎臓病啓発活動
腎臓病啓発活動
腎臓病啓発活動
腎臓病啓発活動