日本赤十字社 高松赤十字病院

認知症ケアチーム

特色

内閣府の高齢社会白書によると、65歳以上の高齢者人口は徐々に増加を続け、2042年には3,935万人でピークを迎え、総人口の減少も見込まれる中で高齢化率は上昇し、2065年には約40%に達し、人口の2.5人に一人が高齢者という社会になると推定されています。高齢化社会の到来により、認知症患者数は現在約462万人(高齢者人口の15%)、軽度認知障害患者数は約400万人(高齢者人口の13%)と推定され、今後も増加が見込まれています。認知症の最大の危険因子は加齢であり、日本人の平均寿命は伸びていくことが推定されており、認知症の有病率、総患者数もしばらくは増加していくと考えられています。このような状況下で少しでも認知症患者さんがその人らしく入院生活を過ごしていただけるようにと当院では平成28年の4月に認知症ケアチームを組織しました。
当院では既に平成26年2月25日から認知症看護認定看護師を中心に院内デイケアがスタートしています。意欲をもってその人らしく生きていただくことのサポートとともに、日中の覚醒度をあげて夜間の良眠、転倒転落の防止につながればと思っています。
平成28年4月以降は認知症ケア委員会を開催し、運営方法を検討しながら、週に2回認知症ケアカンファレンスおよびラウンドを行っています。

認知症ケアチームメンバー

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、臨床心理士(心理判定員)、管理栄養士、社会福祉士、事務の多職種で構成されています。

院内デイケア

入院生活は患者さんにとって、治療や療養のために必要なものです。しかし一方で普段の生活とリズムが違うことによりストレスが生じやすく、夜間の不眠や情緒の不安定、一時的な認知障害を招く原因になることがあります。入院生活の中でほんの数時間でも、ベッドを離れ、治療を忘れて穏やかな入院生活を過ごしていただくために、日中の時間を利用し、看護師などにより企画されたさまざまな行事、催しもの(体操、日光浴、ゲームなど)に患者さんが参加していただく「院内デイケア」をスタートしています。平成26年2月から毎週火・水の週2回(14時から15時30分まで)行っています。不眠の解消、情緒の安定、身体抑制の解除等が期待されます。

院内デイケア風景
院内デイケア風景

認知症ケア委員会

多職種の認知症ケアチーム総勢12名で開催しています。チーム全体で、いかに認知症患者さんがその人らしく入院生活を送っていただけるかについてそれぞれの職種が知恵を絞りながら意見を交換します。

認知症ケア委員会風景
認知症ケア委員会風景

認知症ケアカンファレンスおよびラウンド

毎週火・水曜日11時から、医師、看護師、薬剤師、社会福祉士、理学療法士、作業療法士のメンバーでカンファレンスとラウンドを行っています。入院患者さんの療養状況について情報を共有し、できるだけ抑制や鎮静をせず、患者さんの不快な状況を招かないように配慮できているかについてカンファレンスを行い、その後必要な患者さんの回診を行っています。

カンファレンス風景
カンファレンス風景

認知症院内研修会

認知症についての理解を深めることを目的に認知症看護認定看護師を中心に院内の認知症研修会を行っています。認知症ケアチームを立ち上げたこともあり、多職種のチームメンバーそれぞれの立場からの認知症患者さんに対するケアについての院内研修会を計画しています。

診療実績

当院神経内科外来通院患者(650名)における
認知症の割合(平成29年4月1日現在)※患者数:割合(%)
当院神経内科外来通院患者(650名)認知症の割合(平成29年4月1日現在)※患者数:割合(%)

認知症患者の割合
(平成29年4月1日現在)※患者数:割合(%)
認知症患者の割合(平成29年4月1日現在)※患者数:割合(%)

院内デイケア参加件数(平成26年2月25日開始)
院内デイケア参加件数(平成26年2月25日開始)

認知症ケア加算1算定患者(平成29年4月〜平成31年3月)
認知症ケア加算1算定患者(平成29年4月〜平成31年3月)

スタッフ