日本赤十字社 高松赤十字病院

NST 栄養サポートチーム

NST(Nutrition Support Team)について

NSTとは医師・管理栄養士・看護師・薬剤師・検査技師らが結集して、栄養状態の改善を必要とする入院患者様を対象に栄養療法を行うチーム医療です。1970年にシカゴで誕生し、日本でも2001年にNSTプロジェクト委員会が発足後、急速に普及し、現在では多くの病院でNST活動が行われるようになっています。

さて、実際に入院されている患者様の栄養状態はどうでしょうか?調べてみると病状・検査・手術などの影響で栄養不良のかたが意外と多いというのが事実です。栄養状態が不良であれば免疫機能が低下し、感染症などの合併症を起こしやすくなったり、いかなる治療も効果が発揮されにくくなります。そこで、栄養不良が進行しない様、NSTによる早期からの栄養管理の必要性が重視されるようになってきました。

当院でも2001年9月に病院長承認のもとメンバー総勢約60名のNSTが発足し、2002年1月より病棟回診が始まりました。回診時には、患者様の身体計測(腕の周囲の長さや皮下脂肪の厚さを測定する)や血液検査などの結果より栄養状態の評価を行ったり、輸液・経腸栄養剤の追加・変更などを主治医に提言しています。また、病院食をお召し上がりの患者様には少しでも食事の摂取量が増えるように、可能な限り食事内容の調整を行ったり、咀嚼や嚥下機能にあわせて、固さ・飲み込みやすさなど食事形態の工夫も行っています。2016年からは、歯科との連携を開始し、口腔ケア等による誤嚥性肺炎の予防や経口摂取への働きかけに努めています。

現在すべての患者様に対し、入院時に栄養状態のチェックを行い、問題のある患者様の場合は、管理栄養士あるいはNSTがお伺いしています。様々な栄養治療を組み合わせ、患者様の栄養状態をできるだけ早く改善し、一日も早く元気に退院していただくことが一番の使命と考え活動しています。

病棟回診
病棟回診
カンファレンス
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