がん総合診療センター開設について
近年、種々のがんに対して、従来からの抗がん剤に加え、免疫チェックポイント阻害剤などの新しい薬剤が幅広い診療科で使用されるようになりました。これらは外来で点滴投与することが可能ですから、当院でも外来で治療を受ける患者さんが増加しています。これまでは、外来で抗がん剤などの点滴治療を受ける方は、本館3階の化学療法室を使用していただいておりましたが、最大で14人までしか入室できず、治療室自体も狭いので、利用される患者さんにはご迷惑をおかけしておりました。このたび本館6階を改装し、最大25人まで受け入れることのできる新たな化学療法室を整備いたしました。また、がんゲノム医療部門および緩和ケア、がん相談部門も本館6階に移転し、化学療法室と合わせてがん総合診療センターとして開設いたします。抗がん剤などの治療を受けられる患者さんにおかれましては、広く快適になった化学療法室でリラックスして治療を受けていただきたいと思います。がんサロンなどの患者会もがん総合診療センターで開催する予定ですので、ご期待ください。
外来化学療法室
外来化学療法室は、自宅で生活を続けながら、抗がん剤治療を行う患者さんが利用しています。広い治療スペースに21台のベッド、4台のリクライニングシートがあり、患者さんが本を読んだりテレビを見たりしながらリラックスして治療を受けられる環境を整えています。外来で化学療法を受けることに対しては「どんな副作用が出るのか?」、「自宅で今までと同じ生活ができるのか?」など不安を感じる方も多いのではないでしょうか。現在は支持療法(副作用を軽くする薬を使うこと)が進歩し、症状を我慢せずに通院しながらの治療を続けることができます。専門医、がん薬物療法認定薬剤師、がん化学療法看護認定看護師が常駐し、患者さんが安全に、最善の治療を受けることができるように全力でサポートしていきます。今後は抗がん剤治療で生じる脱毛、皮膚や爪の変化など外見に対するケアにも力を入れていきたいと考えています。
がん相談支援センター
がん相談支援センターは、全国の「がん診療連携拠点病院」などに設置されている相談窓口です。がんの治療や療養に際して、患者さん、ご家族、地域の方々、地域の医療介護福祉関係者などからの、様々な相談をお受けしています。
どんなことでも、お気軽にご相談ください。
<相談できることの例>
・がんの検査、治療、症状に関すること
・生活や療養上の困りごと
・医療費や生活費など経済的な不安について
・セカンドオピニオンについて
・仕事や学校に関すること
・緩和ケアについて
・がんゲノム医療について、遺伝性疾患に関すること
・治療中の見た目の変化について(髪や皮膚など)
・家族などとの関係について
・その他、がんに関することで、誰に相談したらいいかわからないこと など
※当院に通院していなくても、ご相談いただけます。
※匿名でも相談できます。
※秘密は厳守いたします。相談内容は、相談者の了解なしに担当医をはじめ他の人に伝えることはありません。
<対応日時> 月~金(平日) 8:40~17:10(受付~16:30)
<受付場所> 【本館6階】 がん総合診療センター受付(61番窓口)
【本館1階】 9番窓口、総合案合、患者図書室
<利用方法> 対面相談、電話相談 (予約不要)
<電話> 087-831-7101(代) 087-831-7109(直通)
(相談対応の質向上のため、通話内容を録音させていただきます。
録音を希望されない方は、相談時にその旨お知らせください。)
<スタッフ> 看護師、社会福祉士など
緩和ケア部門
がんになると身体や治療のことだけでなく、今後の生活のこと、家族のこと、仕事のことなど、先行きの見えない不安、つらさなどを経験すると言われています。緩和ケアはがんに伴う身体や心のつらさを和らげ、自分らしい生活ができるようにするための医療です。がんと診断された時から患者さんの状況に応じて、がんの治療と共に受けることができます。
当院においては、緩和ケアの専門の資格を有する医師、看護師、薬剤師等が、主治医や担当看護師等と連携を図りながら、患者さんとご家族の支援を行っています。外来では緩和ケア外来•相談外来で、入院中は緩和ケアチームでサポートします。
身体や気持ちのつらさ、その他病気に関する気がかり、今後の過ごし方など、気持ちを聞かせて頂き、苦痛を軽減できる方法を一緒に考えていきます。患者さんのみならず、ご家族への支援も可能ですので、ご希望される場合は主治医や担当の看護師にご相談ください。
薬剤部
薬剤師は患者さんが薬物治療を安全に安心して受けてていだだけるようサポートしています。がんの知識を持った薬剤師が患者さんに治療の説明をし、副作用のモニタリングを行います。また患者さんが生活の質を保ちながら治療できるように副作用を軽減する支持療法を提案しています。治療前日までには患者さん毎の投与量やスケジュールを確認した後、治療当日にはがん総合診療センター内の薬剤調製室で抗がん剤を無菌調製して提供しています。治療について薬剤師への相談を希望される場合は、主治医やセンター内の職員にお声掛けください。