診療科紹介

ホーム診療科紹介 › 生殖医療センター(不妊治療)

生殖医療センター(不妊治療)

なかなか子宝にめぐまれないご夫婦はぜひ一度ご相談ください。

総合病院の特性を活かし、体外受精と腹腔鏡手術とを二本柱とした不妊治療を提供しています。
不育症の治療、がん治療前の妊よう能温存治療、泌尿器科専門医と連携した男性不妊の治療にも積極的に取り組んでおります。

当センターの特色

当センターでは、女性の年齢に基づいて個別化した不妊治療の提供を目標にしています。まずは排卵誘発や人工授精といった一般的な不妊治療を行いますが、妊娠に至らない場合は手術や体外受精といった高度生殖医療をご提案しています。

36歳以下の女性

できるだけ自然妊娠をしてもらうことを期待して、子宮や卵巣の状態を正常に近づけるための腹腔鏡手術を考慮します。

37歳以上の女性

今後、卵子の老化が急速に進むことが予想される中での手術は妊娠できる機会を逸することにつながりかねません。そこで、できるだけ早期に体外受精までステップアップすることをお勧めします。

腹腔鏡手術には全身麻酔が必要であり、また手術特有のリスクをともなうことから、積極的に行っている体外受精クリニックはほとんどありません。当センターは総合病院の一部門でもありますので、麻酔科専門医による全身麻酔のもと、複数の産婦人科専門医が協力して安全な腹腔鏡手術を実施できる環境が整っています。体外受精と腹腔鏡手術という不妊治療の二本柱を同じ施設で行うことで、一貫した方針に基づいた不妊治療を提供できることが当センターの最大の特色といえるでしょう。また、不妊カップルの半数近くは男性側に原因があるとされています。当センターでは、泌尿器科専門医による男性不妊への対応が可能であり、それがもう一つの特色といえます。体外受精腹腔鏡手術という不妊治療の二本柱を同じ施設で行うことで、一貫した方針に基づいた不妊治療を提供できることが当センターの最大の特色といえるでしょう。また、不妊カップルの半数近くは男性側に原因があるとされています。当センターでは、泌尿器科専門医による男性不妊への対応が可能であり、それがもう一つの特色といえます。

卵子の老化

近年めざましい女性の社会進出の結果、晩婚化が進み、卵子の老化が社会問題となっています。

卵子の老化とは

卵子のもととなる卵祖細胞は胎児期に減数分裂に入り、出生時までにそのすべてが卵母細胞となっていったん休止します。卵母細胞は自己複製する能力をもたず、出生後に新しい細胞が供給されることはありません。思春期をすぎると、月経周期ごとに1−2個の卵母細胞が休止期を脱して減数分裂を再開し、卵子となって排卵されます。つまり、20歳の女性から排卵される卵子は20年の休止期を経て減数分裂を再開したものであり、40歳の女性では40年もの長い休止期を経て減数分裂を再開したものなのです。卵母細胞は休止期の間に徐々に劣化しますので、その後に再開される減数分裂において染色体不分離(染色体が均等に分離されない異常)を起こす頻度は加齢とともに高まります。このため、高齢女性から排卵される卵子はその多くが染色体の数的異常をもっており、正常妊娠にはつながらないのです。これが「卵子の老化」とよばれる現象です。

本邦の体外受精データ
(2016年日本産科婦人科学会報告)
※クリックで拡大表示します

妊娠率

流産率

卵子の老化は体外受精でも確認されています。体外受精した受精卵を成熟させて得られた胚盤胞の染色体正常率は30歳未満で64%、30-34歳で57%、35-37歳で49%、38-40歳で38%、41-42歳で24%、42歳をこえると16%にまで低下します。そのため、体外受精の胚移植あたりの妊娠率は女性の加齢とともに低下し、たとえうまく妊娠できても流産してしまう率が上昇します。左に示した本邦の体外受精のデータから、妊娠率の低下と流産率の上昇はとくに37歳以降に顕著になることがわかります。

卵子を若返らせる治療はありませんので、当センターでは女性の年齢によって個別化した不妊治療を提供するようにしています。まずはタイミング指導、排卵誘発、人工授精といった一般的な不妊治療を行いますが、それを半年以上続けても妊娠しない場合には、女性の年齢に応じて腹腔鏡手術あるいは体外受精をご提案しております。

不妊症について

不妊症とは?

妊娠を希望し、1年以上夫婦生活を営んでいても妊娠が成立しない場合をいいます。

不妊症の原因は?

女性

排卵障害、卵管閉塞、子宮筋腫や子宮内膜症、加齢による卵子の老化などさまざまな原因が考えられますが、明らかな原因がみつからないこともあります。

男性

精子の数や運動率の低下が主な原因です。無精子症には精子をつくる機能そのものが障害されている非閉塞性無精子症と精巣で精子がつくられているのに通り道がつまっていて出てくることができない閉塞性無精子症があります。

当センターを受診された不妊症カップルの診療の流れ

当センターを受診された不妊症カップルの診療の流れ

不妊症の治療

  • 排卵誘発

    服薬や注射で卵巣を刺激して排卵をおこし、また体内のホルモン環境を整えます。

  • タイミング指導

    排卵日のタイミングに合わせて夫婦生活を持っていただく方法です。通院により卵胞の大きさやホルモンの測定をして、排卵日を推測します。

  • 人工授精(AIH)

    排卵日に合わせて外来で行います。自宅で採取した精液を持参いただき、洗浄濃縮したのちにカテーテルを用いて子宮の中に直接注入します。

  • 生殖補助医療
    1. 体外受精

      排卵刺激剤を連日注射し複数の卵子を育て、日帰り手術で採取します。採卵当日に自宅で精液を採取して持参していただきます。精液から精子を調製し、採取した卵子と体外で受精させます。
      体外受精には以下の2つの方法があります。

      【通常体外受精 conventional IVF】

      精子を卵子にふりかけて、受精を待つ方法。

      【顕微授精 ICSI】

      顕微鏡で見ながら細い針で一つの精子を一つの卵子の中に直接注入する方法。精子の濃度や運動率が極端に低く通常体外受精では受精しないと判断した場合や実際に通常体外受精を行ったが受精しなかった場合に実施します。

      体外受精の様子

      顕微授精 ICSI

    2. 胚移植(ET)

      受精した卵子は受精卵あるいは胚と呼ばれます。
      受精卵は細胞分裂(卵割)をくりかえし、胚の発生が進んでいきます。
      どの発生段階の胚でも子宮に戻すことができ、また余った胚は凍結保存することができます。

      分割胚

      分割胚

      【初期胚移植】
      細胞分裂して4~8細胞になった胚を子宮に戻す方法。

      胚盤胞移植

      胚盤胞

      【胚盤胞移植】
      初期胚からさらに培養を続け胚盤胞とよばれる段階まで育ててから子宮に戻す方法

    近年、採卵した周期に胚を移植する新鮮胚移植ではなく、胚を凍結保存しておいてその後の自然に近い周期に融解して移植する凍結融解胚移植のほうが妊娠率の高いことが明らかとなり、凍結融解胚移植が主流となりつつあります。

  • 不妊症に対する腹腔鏡手術

    子宮内膜症、子宮筋腫、クラミジアによる卵管癒着などが不妊原因となっている可能性が高い場合は、腹腔鏡手術による治療を考慮します。全身麻酔下に腹壁に5-10㎜の小さい穴を3-4カ所あけ、腹腔内をカメラで観察しながらマジックハンドのような鉗子を用いて腫瘍摘出や癒着剥離を行います。この操作により、子宮、卵管、卵巣といった生殖臓器の位置関係をできるだけ妊娠に適した状態に整えます。手術前日から術後4日目までの入院が必要です。

    顕微鏡下精巣内精子採取術(MD-TESE)

    当院泌尿器科では無精子症の男性に対する顕微鏡下精巣内精子採取術(MD-TESE)を実施することが可能です。全身麻酔下に精巣を切開して顕微鏡下に丹念に精子を探します。採取できた精子はいったん凍結保存し、後日女性から卵子を採取して顕微授精(ICSI)を行います。

不育症について

不育症とは?

「流死産もしくは生後1週間以内の早期新生児死亡を2回以上繰り返して生児を得られないもの」のことをいいます。死産や早期新生児死亡を経験する女性は少数ですので、不育症を反復流産(2回連続する自然流産)と考えてもいいでしょう。

不育症の原因は?

※クリックで拡大表示します

不育症の原因

不育症の原因の51%を占める胎児染色体異常には、カップルのいずれも染色体は正常だが胎児に染色体の数的異常(染色体数の不足あるいは過剰)が反復するもの、カップルのいずれかに染色体の構造異常(染色体の部分的な異常)があるため胎児にも染色体の構造異常が反復するものの2種類があります。このいずれに対しても有効な治療法はありませんが、何度か流産を繰り返したのち最終的には80%以上のカップルは生児を得ることができるとされています。生児を得るまでの流産回数を減らす試みとして着床前診断/スクリーニング(体外受精の過程で、受精卵から一つの細胞を取り出して染色体を調べる方法)がありますが、一般医療としての実施は日本産科婦人科学会に承認されていません。

不育症カップルの診療の流れ

不育症カップルの診療の流れ

がん治療前の妊よう能温存について

がん治療の飛躍的な進歩により、がんを克服した患者の治療後の生活の質(QOL)にも目が向けられるようになりました。若い患者に対するがん治療では、その内容によって子宮・卵巣・精巣など生殖臓器の喪失や機能不全がおこり、将来子供をもつことができなくなる可能性があります(妊よう能の廃絶)。しかしこれまでは、病気を克服することが唯一のゴールであったため、がん治療にともなう妊よう能の廃絶には目をつぶらざるを得ませんでした。しかし最近では、一定の制限内ではありますが、がん治療後の妊よう能の温存を目的とした医療が試みられるようになってきています。当センターでは、生殖補助技術を用いた精子や受精卵の凍結保存を行っております。ただし、受精卵の凍結保存はパートナーのいる女性にしかできません。パートナーのいない女性に対しても実施可能な卵子凍結や思春期前の女児でも実施可能な卵巣組織凍結については将来的な導入を予定しております。

治療にかかる費用と公的助成金について

当センターでの治療費用の概算

人工授精 15,000円
卵巣刺激-採卵-通常体外受精 300,000円〜
卵巣刺激-採卵-顕微授精 350,000円〜

※上記金額の内、顕微授精の個数によって治療費用は変動します。
 5個まで(50,000円)
 6~10個(80,000円)
 11個~15個(110,000円)
 16個以上(140,000円)

新鮮胚移植 60,000円〜
凍結融解胚移植(融解料含む) 140,000円〜
腹腔鏡手術 200,000円
顕微鏡下精巣内精子採取術(MD-TESE) 300,000円
凍結保存 胚凍結 50,000円(5個まで)
80,000円(6~10個)
110,000円(11個~15個)
140,000円(16個以上)
胚凍結保存料(2年目以降) 30,000円
精子凍結 20,000円
精子凍結保存料(2年目以降) 30,000円
精子融解料 5,000円

別途税金が必要です。

特定不妊治療費助成制度について

当院は、香川県特定不妊治療(体外受精・顕微授精)の指定医療機関です。
特定不妊治療費助成制度により、体外受精・顕微授精など不妊治療を行った費用の一部に助成金が支給されます。

対象となる治療

体外受精および顕微授精(男性TESE手術含む)
(医師の判断に基づき、やむを得ず治療を中断した場合についても、卵子採取前に中止した場合を除き、助成の対象となります。)

  • ※夫婦以外の第三者からの精子・卵子・胚の提供、代理母、借り腹は対象外
  • ※※ 文書料、食事療養標準負担額、個室料など治療に直接的関係のない費用は対象外
県内政令市の担当窓口
住所地 管轄の窓口 電話
高松市 高松市保健センター(母子保健係) 087-839-2363
さぬき市、東かがわ市
木田郡、香川郡
東讃保健福祉事務所(保健対策課) 0879-29-8264
小豆郡 小豆総合事務所(保健福祉課) 0879-62-1373
丸亀市、坂出市、善通寺市
綾歌郡、仲多度郡
中讃保健福祉事務所(保健対策第二課) 0877-24-9963
観音寺市、三豊市 西讃保健福祉事務所(健康福祉総務課) 0875-25-3082

(注)高松市以外では、香川県助成金を受けてもなお必要な負担額に対して市町村での助成制度があります。詳しくは下記ページにてご確認ください。また、市町村により独自の助成(人工授精等)を行っている場合もありますので、香川県特定不妊治療費助成事業とあわせてお住まいの市町村助成制度もご確認ください。

香川県 香川県特定不妊治療費助成事業
高松市 高松市特定不妊治療費助成事業
さぬき市 さぬき市特定不妊治療支援事業
東かがわ市 東かがわ市特定不妊治療費助成事業
木田郡 三木町特定不妊治療費助成事業
香川郡 直島町不妊治療費助成事業
小豆郡 小豆島町こうのとりプラン
土庄町特定不妊治療費助成事業
丸亀市 丸亀市こうのとり支援事業
坂出市 坂出市特定不妊治療助成事業
善通寺市 善通寺市ゆりかご支援事業
綾歌郡 綾川町特定不妊治療費助成事業
宇多津町特定不妊治療費助成事業
仲多度郡 琴平町特定不妊治療費助成事業
多度津町特定不妊治療費助成事業
まんのう町特定不妊治療費助成事業
観音寺市 観音寺市特定不妊治療費助成制度
三豊市 三豊市不妊治療助成制度

不育症治療費助成制度について

  • 【対象となる治療】 不育症治療のためのヘパリン療法
  • 【担当窓口】
    香川県健康福祉部 子ども政策推進局(子ども政策課・子ども家庭課)
    電話:087-832-3285

妊孕性温存療法助成制度について (平成31年度中に開始予定)

  • 【対象となる治療】 がん等の治療にあたって行う妊孕性温存治療
  • 【担当窓口】
    香川県健康福祉部 子ども政策推進局(子ども政策課・子ども家庭課)
    電話:087-832-3285

スタッフおよび施設について

スタッフ名 役職・認定医・指導医等
佐藤 幸保(さとう ゆきやす)

佐藤 幸保

生殖医療センター長(第二産婦人科部長)
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
日本産婦人学会 産婦人科専門医・指導医
日本周産期・新生児医学会 周産期専門医・指導医
日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医・暫定指導医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
臨床遺伝専門医(生殖医療に関する遺伝カウンセリング受け入れ可能な臨床遺伝専門医)
日本女性医学学会 女性ヘルスケア暫定指導医
森 陽子(もり ようこ)

森 陽子

産婦人科医師
日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医
伊月るりこ(いつき るりこ) 胚培養士
小泉 倫子(こいずみ ともこ) 胚培養士

採卵室

採卵室

ICSIの様子

ICSIの様子

受精作業の様子

クリーンベンチでの作業の様子

高松赤十字病院 生殖医療センターに関するお問い合わせ

平日9:00~17:00 高松赤十字病院産婦人科外来までお願いします。
TEL:087-831-7101(代表)

このページの先頭へ