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当院での“胃食道逆流症”に対する治療

カテゴリ:消化器外科 投稿日:2018年12月21日

当院での“胃食道逆流症”に対する治療

胃食道逆流症(Gastroesophageal reflux disease:GERD)は、胃食道逆流により引き起こされる食道粘膜障害とそれに随伴する症状のいずれかまたは両者を引き起こす疾患、と定義されます。



日本人におけるびらん性GERDの有病率は、内視鏡検査を受けた患者さんのうち約10%で、症状を有するGERDはびらん性GERDの2倍(約20%)といわれています。またGERDの有病率は年々増加傾向にあります。治療法は、多くの場合、「胃酸分泌抑制薬」のプロトンポンプ阻害薬(PPI)を、診断を兼ねて服用し、症状が改善すればGERDの可能性が高いという判断になります。GERDを正確に診断するためには内視鏡検査を行い、下部食道粘膜に炎症があれば「逆流性食道炎」と診断され、薬物療法開始となりますが、内視鏡検査で炎症が見つからなくても、「非びらん性胃食道逆流症」の可能性もあり、この場合は内視鏡検査では診断できないため、逆流の有無を確かめる必要があります。


治療は内服薬投与による保存的治療が第一選択で、胃酸分泌抑制薬では維持療法は必要となりますが、長期投与に伴うリスク(鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、骨粗しょう症、認知症、慢性腎疾患など)が高まる可能性があり、薬剤中止で症状が再燃することも少なくありません。 また、薬物療法では逆流そのものを止められないため、長期投与が必要になる症例が少なくありません。

そこで、“GERDを外科的に治療する”という選択肢がある。これは、胃食道逆流症ガイドライン2015にも掲載されており、対象患者は以下のようになります。

手術適応
  • 食道裂孔ヘルニアがある
  • PPI抵抗性GERD
  • 薬物療法中断でGERD再燃
  • 随伴症状が強い
  • 薬物療法による副作用がある

ただし、手術適応を決める際には「食道内圧検査」、「24時間食道インピーダンスpHモニタリング検査」による食道の機能評価が必須となります。

治療の流れ


  • 内科医師の診察によりGERDが疑われた患者さんに対し“必要な検査”を行う。
  • 必要な検査:上部消化管内視鏡検査、CT検査、
    “食道内圧測定” “24時間食道インピーダンスpHモニタリング検査”などを行う。
  • 手術適応があれば、術前検査、麻酔下診察の後に、外科治療について説明、手術となります。
手術方法

全身麻酔下に以下の操作を行います。

  • 腹部食道の剥離授動
  • 胃穹窿部の授動
  • 食道裂孔の縫縮
    (食道裂孔ヘルニアを伴う場合)
  • 噴門形成


Nissen法
授動した腹部食道に胃底部を1周巻きつけ、逆流防止機構を作成する。
Toupet法

腹部食道に胃底部を3/4周巻きつける。

 

費用
  • 食道内圧測定・24時間食道インピーダンスpHモニタリングは、1泊2日で行います。
    3割負担で、3~5万円程度*です。
  • 手術は保険適応となっています。
    3割負担で、18万円~30万円程度*です。

* 費用は、入院期間・病室の種類などで変わるためあくまでも目安とお考えください。

「胃食道逆流性に対する治療」のお問い合わせについて

「胃食道逆流症に対する治療」のお問い合わせについては、消化器センター(消化器内科)までご連絡下さい。
TEL:087-831-7101(代表)
受付時間は、午後3時~午後5時までにご連絡下さい。


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