診療の最前線

胸部・乳腺外科

当院の乳がんの診断 乳腺外来に行ったらどんなことをするの?

乳がんはどんな症状が現れるのでしょうか



また、自分で一番よくわかる症状である「痛み」は乳がんの症状としては少ないです。
でも気になるときは受診してすっきりしましょう(^^)

乳腺外来を受診すると

基本的にはマンモグラフィー検査を行います。

マンモグラフィーは乳房専用のレントゲン検査です。

少ない放射線の量で安全に乳がんの検出ができます。透明の圧迫板で乳房をはさみ、薄く伸ばして撮影します。多少の痛みがありますが、いつまでも痛みが残ることや乳房がつぶれてしまうことはありません。ただし、我慢できないときは言ってください。
ちょっとびっくりするほど乳房を伸ばしますが、伸ばして薄くすればするほど、がんをみつけやすくなります。




特に異常がなければこれで終了です。

マンモグラフィー検査で異常がある場合、必要な場合、またご希望がある場合はエコー検査も追加します。

乳腺用の超音波診断装置を用いて、皮膚にゼリーを塗って乳房の状態を調べる検査です。
放射線の被爆はありません。



閉経前の乳腺が発達している人では、マンモグラフィーのみで乳がんを見つけるのが難しいことがあります。その場合、乳腺が発達していても対応できる超音波検査も追加したほうがいいこともあります。ただし、超音波検査は小さな石灰化像を呈するようなタイプの乳がんを見つけにくいという弱点もあり、超音波検査のみでもまた万全ではありません。

発見時ステージ別10年後生存率



発見時のステージ別の10年後の生存率は、0期では95.5%、Ⅰ期では89.1%、Ⅱ期では78.6%、Ⅲ期では52~58.7%、Ⅳ期では25.5%と発見が遅くなるほど低くなります。早期発見ができれば、命が助かる可能性が高くなることが分かります。
日本乳癌学会「全国乳がん患者登録調査報告書29号」より


乳がんが疑われたら  


エコー下吸引細胞診

乳腺エコーで見える病変の場合は、エコーで見ながら細い針を刺して細胞の一部を採取し、
がん細胞があるかどうかを顕微鏡でみます。(針が細いため、局所麻酔は行いません)



細い針を用いる細胞診では、検査できる細胞(検体)の量が少なく、診断が難しい場合があります。
その場合は、局所麻酔をしてもう少し太い針を刺す組織診が必要になります。

マンモグラフィーガイド下マンモドーム生検

微小な石灰化像を呈するようなタイプの乳がんはエコーでは見えないため、
マンモグラフィーガイド下マンモトーム生検を行います。
マンモグラフィーで乳房をはさんだまま、局所麻酔をして病変部位を採取します。



外科的生検


それでも診断がつかない場合は局所麻酔下で病変を取り出す手術をします。
入院の必要はなく、1時間程度でできます。



乳癌と診断されたら。。


これらの検査で乳癌と診断された場合、次のような検査を行い乳癌がどのような状態か診断します。
状態により、手術を基本としたさまざまな治療法を組み合わせ行います。

CT

乳癌の状態、全身の転移の状態を調べます。転移の状況により、乳がんのステージ(病期)もわかります。



MRI

必要な場合は乳腺MRIを行います。
乳癌が乳房の中でどのくらいひろがっているかみます。



骨シンチ

必要な場合は骨シンチを行います。骨シンチは、がんの骨への転移を調べる検査です。



これらの検査を行い、乳癌がどのような状態か診断し、手術、抗がん剤等の治療を行う計画を立てます。

乳がんは症状が出にくく、初期のものは検査をしなければわかりません。
早期発見ができ、早期に治療が開始できれば、命が助かる可能性が高くなります。
気軽に乳腺外来に来てください。


胸部・乳腺外科副部長
乳腺専門医 法村尚子